自家製ビールを作ろう。
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ついにこのときがやってきた。
容器に入った金色の液体と無数の泡を見て俺は泣いた。
これまでどれほどの苦労があっただろう。
俺はあの日からの出来事を思い返した。
薮の中を歩いていた俺は、偶然、自生した大麦を見つけた。
すぐに大麦の芽を川で発芽させると、たき火で乾燥させ、仕込みを進めた。ホップはない。野生の麦。それだけ。そう、俺は念願のクラフトビール作りに挑戦したのだった。
拾った容器での発酵は困難を極め時間を要したが、俺はついに「若ビール」と呼ばれるビールの赤ちゃんを作り出すことに成功した。
それを丁寧に熟成させ、ついに一杯の自家製ビールを作り出したのだった。
喉に流し込んだ瞬間、目の前の現実が一瞬にして消え去った。
無人島に漂着して幾月が過ぎ、食料も尽き助けが来る気配もないが、そんなことはどうでも良かった。
遠く水平線を眺め、俺は人生の素晴らしさと現実と向き合う恐怖に、また少し泣いた。
容器に入った金色の液体と無数の泡を見て俺は泣いた。
これまでどれほどの苦労があっただろう。
俺はあの日からの出来事を思い返した。
薮の中を歩いていた俺は、偶然、自生した大麦を見つけた。
すぐに大麦の芽を川で発芽させると、たき火で乾燥させ、仕込みを進めた。ホップはない。野生の麦。それだけ。そう、俺は念願のクラフトビール作りに挑戦したのだった。
拾った容器での発酵は困難を極め時間を要したが、俺はついに「若ビール」と呼ばれるビールの赤ちゃんを作り出すことに成功した。
それを丁寧に熟成させ、ついに一杯の自家製ビールを作り出したのだった。
喉に流し込んだ瞬間、目の前の現実が一瞬にして消え去った。
無人島に漂着して幾月が過ぎ、食料も尽き助けが来る気配もないが、そんなことはどうでも良かった。
遠く水平線を眺め、俺は人生の素晴らしさと現実と向き合う恐怖に、また少し泣いた。
その他
公開:23/11/18 07:32
更新:23/11/18 15:21
更新:23/11/18 15:21
ショートショートの精霊
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