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 週末のバイト終わり、ぼくらの足はいつもの公園に向かった。ゼミの愚痴とか、彼女との喧嘩とか、くだらない思い出話とか、どうせ話の内容は同じだから、せめてビールくらいはいつも違うものを選ぼうって最初に言ったのはぼくだっけ、君だっけ。
 あれから時間が経って、あのころのようには会えなくなったころ、ぼくのすべてがうまくいかなくなって、もう全部終わりにしようかと思っていたころ、君からの連絡があった。集合場所はいつもの場所で。
「ひさしぶり」
 そう言う君の笑い方はあのころとなんにも変わっていなくて、その手にはビールがふたつ抱えてあって、それを見たとき、なんでかわからないけど、ぼくはもう大丈夫って気がしたんだ。
 なあ、昼中のことはすべて忘れて、今夜は笑おう。この手にあるビールが空になるまででいいから、それまではずっと変わらない馬鹿な話をしよう。
 どうせまた次に君と飲むビールも美味しいんだから。
青春
公開:23/11/14 23:12

吉田六

Twitter(X):@yoshida__6

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