体内螺旋テンション調整師の男

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 それはストレス性の慢性的な体調不良ですね。
 人はストレスに際して「顔をそむける」「背を向ける」「身悶える」などの「捩じる」動作を起こします。この「捩じれ」によって脊椎軸がずれるのです。前歯の中心を12時、尾てい骨を6時として、そこから脊椎軸が58分とか2分とかの位置に捩じれただけで、副交感神経が低下するなどの悪影響を及ぼすのです。この軸を正常に戻すテンション調整機構が、我々の身体にはちゃんと備わっているのです。わたしが発見したのですよ。運動とか手術とかなどではなく、外部からの施術で調整可能なのですよ。
 具体的には、「つむじ」と「おへそ」そして「肛門」という人体三大螺旋を、同時に、適切なテンションに調整します。
 いいですね。
 では服を脱いで、このマットに四つん這いになってください。背後から、つむじとおへそは指圧で、肛門には専用の器具を用いて調整しますのでね。はい、リラックッスして。
その他
公開:23/11/11 09:35
シリーズ「の男」

新出既出

星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。

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