宝毛麦酒

宝毛。体の一部に１本だけ長く生えてくる毛の総称。別名・命の毛とも呼ばれている。
この宝毛、何も生えているのは人間だけではない。動物は勿論、虫や魚、植物に至るまで生えている事がある。
中でも麦に生えている宝毛は重宝されていた。江戸時代の記録には、それ一つで米１俵分の価値があったと書かれているものもある。
そんな宝毛の生えた麦やポップなどを集め作った宝毛麦酒。
奇跡のようなこの一杯は、本当に奇跡を起こしたとされている。
最も有名な話では織田信長がこれを飲んだ年、桶狭間の戦いで勝利した。天が味方し、勝利をもたらした。
まさに勝利の美酒であったと言えよう。だからこそ、信長は宝毛麦芽を求め続けた。
なお、信長は宝毛麦芽を飲めなかった年に本能寺の変に遭っている。
宝毛は抜くと白髪になるのが早くなる、という迷信がある。
本能寺の焼け跡から見つかった信長の遺体もまた、その髪の毛は全て白くなっていたそうだ。