ゆらり、ゆれる、灯篭船。

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ビールジョッキに彼女が小さな灯篭を浮かべる。
「綺麗だね」と微笑む顔はアルコールで朱くなっているが、瞳は理性を残している。
彼女とビールに浮かべた灯篭を眺める。ビールの炭酸が灯篭を揺れ動かす。白い泡が波のように生まれては消える。
黄金色の海に浮かぶ灯篭。僕はそこに、彼女と二人の乗り込んでいる幻想を見た。
満月に向け空へと手を伸ばす僕。ビールの海に手を伸ばす彼女。
「いつか、死が私達を分かれさせても、ここでまた会いましょう」
夢と現。悲願と此岸。ビールに浮かぶ灯篭にそんな間の世界を見た。
今日の僕は相当酔っているようだ。それでもまだ飲み足りない。灯篭の浮かぶビールを飲みたくて仕方がない。
「当然よ。お酒を飲むとしょっぱいものが欲しくなるでしょ?貴方の身体は、この小さなビールの海を求めているの」
灯篭の浮いたジョッキを口にする。これで明日は二日酔い確定だな。
だがそんな明日への後悔も悪くない。
公開:23/11/12 20:54

幸運な野良猫

yahoo!サーバーに問題が発生したらしく2022年9月1日より2週間入れなかったので新規にアカウント取得。
半年以上毎日Yahoo!IDでログインを試みるも、現在進行形でログインできない状態です。#EY003って何だ?
運営に報告するも、ずっと無視されております。自動応答メールだけが返ってくる…1年経過で、もう諦めた…

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