小説を書いてくれる小人さん

小説家を目指す私はメモ帳に大量のネタを書いてある。いつか使う為に。
だが１０年経ってもいつかは来ていない。
私は書きかけの小説の山を前に頭を抱える。先の展開が思いつかねぇ…
それは１０年経っても続きを書けないでいる。
そんな私を見かねて、私が眠っている間に小人さんがメモ帳を開き、そこから書きかけの小説を仕上げてくれるようになった。
初めてその出来を見た時、私は驚いた。クッソつまんねぇな…
私の悪態にカチンと来たんだろう。小人さんはネタ帳ではなく、ちゃんとした本を読み始めた。
そうして仕上がった小説を見て、私は思った。こんなの、私の小説じゃない！
今度は私がカチンとくる番だ。ネタ帳を開き、書きかけの小説の続きを書いていく。
私と小人は、書きかけの小説を次々と仕上げていく。

今や世間では小人生成の作品はごまんとある。
多くの人が小人さんに仕事を依頼する中、私と小人さんの関係はライバルである。