ググってちゃんにご用心

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ある日、行きつけのバルで仲良くなった人から婚活パーティーに誘われた。翌週、いつもよりおめかしをした私は少し気難しそうな男性の前に座っていた。「独立してコンサルをやっています」と彼は名乗った。
「具体的にはどんな?」と私。
「僕の名前でググってもらえばわかりますよ」 
私は黙ってジョッキに残った生ビールを飲み干した。何だかやけに苦い。喉が渇いたので、今度は桃を使ったというクラフトビールを注文した。
「早くも二杯目なんて今夜は攻めますね」
私はますます口ごもる。何だ、このいちいち癪に障る感じは。男女約30人の熱気が会場を包む中、私だけがキンキンに冷えたジョッキのようだった。そしてピンクのラベルがついた小瓶が運ばれてきた。中からは確かにフルーティーな香りが漂ってくる。
「その女の子っぽい飲み物、何です?」
「気になるなら自分でググってみたらどうですか」
そう言い返すとビールがまた美味しくなった。
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公開:23/11/12 15:18

アカサカ・タカシ( Chicago )

2022年から米国シカゴ在住。

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