◯遊び

「おいおい、こんな夜に火遊びしたらオネショするぞ？」

　それは暑い夜の事、庭でチラチラと見える光と共に、うずくまるニヤケた息子がガラス越しから見えて、俺はそんな小さい背中に声をかけた。

「暇なのは分かるけどなぁお前〜」

　こんな田舎じゃやる事がなくて、虫取りか火遊びしかないから、退屈なのは分かるがなぁ……

「火遊びなんかしてねぇよ父ちゃん、流石にこんな手入れされてない場所で火遊びをする気なんておきないしさぁ」

　遠回しにディスられた気が……

「虫も見当たらないし、俺は寝るかな」

　そう逃げるように、自分の部屋へ向かう息子だったが……


「ほ〜れみろ、言わんこっちゃない、やっぱり昨晩火遊びしてたんだろ？」

　見事なまでの日本地図が、ベッドにオネショで描かれていた。

「違うよ、火遊びはしてないさ」
「じゃあなんで寝しょんべんしてるんだ？えぇ？」
「夢の中で水遊びをしてた」