忘れ薬

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忘れ薬が発明された。飲めばトラウマとなった辛い体験を忘れられるようになった。
ただし高価であったし、特殊成分を使っているため発売は限定的であった。医師が処方した患者のみに売り渡した。
虐待や犯罪被害、セクハラ、パワハラに遭った人たちに手渡された。そういう人たちも前向きになれた。
だが記者会見でパワハラをしたとされる上司が、おれだって良かれと思ってやったんだ忘れ薬があるからそんなに騒がなくてもいいだろうと話し民衆の怒りを買った。
全然反省してないじゃないか、忘れ薬があるから何をやってもいいと思っているのかと加害者側は大バッシングを受けた。
それで精神を病む加害者もいて忘れ薬を求める人も多かったが、加害者に処方されることはなかった。
患者が払う薬代を負担しろとの声も高まり、賠償金として払うことになった。しかし加害者も心が屈折していたので悪い事をして稼いだ金で払った。被害者がまた忘れ薬を使った。
その他
公開:23/03/15 21:04

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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