恋

私は映画が好きだ。映画を愛している。
好きな映画を熱く語りたい。ドストライクな映画は私だけのものにしたい。
そんな想いを話したところ、それは愛じゃなくて恋だと指摘された。
私の気持ちが愛じゃない？何故？
「映画を愛するという事は沢山の人に見て欲しいと願う事。映画が他の人を愛し、他の人に愛される事を良しとする愛人になる事だ。
独占欲のままに独り占めしたいというその気持ちは愛ではなく恋。恋人は誰にも取られたくないし、自分だけがその魅力を理解していればいい。そう思うものだろう？」
ぐうの音も出ない…確かにその通りだ。
「映画に恋をするのを悪いとは言わない。誰か一人でも大切な感情を向けてくれているのだと知ったら、映画を作った人も嬉しくなるからね。でも、映画作りに携わる人達は愛に飢えている。それを知ったら愛人になる事もやぶさかではないと思うようになるさ」
さすが映画館の支配人…おみそれいたしました。