興奮剤注入

国の極秘方針として、全ての飲食物に興奮剤を混ぜることになった。
国の少子化も、海外の企業との争いで負けることが多いのも国民の消極性に起因しているのではないかとの観点から、決めた方針だ。
その効果は現れた。みんな我先にと行動するようになった。企業の行動や採決も早くなり、海外の企業に勝つことも増えた。
少子化対策にも効果を発揮し、早婚する人たちが増え子どもが五人以上いる家庭が普通になった。
だが犯罪は増え治安は悪くなった。みんな常に躁状態で我欲が強くなっているから当然のことであった。
子どもが増え過ぎたから面倒を見切れなくなり、放っておかれる子どもも多くなった。子ども同士が集まり自分たちで自治区を形成した。生活のために大人を襲って金を巻き上げた。
少子化対策、競争力向上には著しい効果があったが道徳心が薄れ、格差が開いた。
興奮剤の効果が薄れてきたので元の国民性に戻ったが、違う問題が山積した。