暗号メイク

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実に精巧な作りだ。これならば絶対にバレることはないだろう。
我々スパイ組織が完成させたのは、暗号メイクだ。暗号を現した複雑なメイクアップ技術だ。これでお互い敵か味方か区別がつく。そして情報を伝える事ができる。まさに究極のメイクだ。
「ふむ。作戦名F32。了解した」
顔を見ただけで作戦を伝える事ができるので、スパイの間でとても重宝した。しばらくの間、暗号メイクの指示だけで作戦を遂行していた。だがなぜか、現場は大混乱に陥った。
「お前、まさか敵側のスパイか?」
「お前こそ、まさか敵側のスパイか?」
一体何がどうなっているというのだ……。
そう。実はこのタイミングで、敵も暗号メイクを使っていたのである。しかも同じ暗号だったのだ。
「なるほど。どうやら敵とは気が合うらしいな」
「どうだろう?いっそのこと、手を組まないか?」
こうして我々の組織は、更に大きくなった。メイクによって敵と和解したのだ。
公開:23/03/14 07:08

富本アキユ( 日本 )

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・作詞を担当
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