融合

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競技人口が少なくなったスポーツを救済するため、野球と相撲を一つにすることとなった。
相撲はスポーツではない、神事だ。相撲界は抗った。しかし、新弟子0人の場所が続き、理事たちは渋々了承した。

かくして、野球と相撲が融合された。

ベンチには野球選手と共にチームお抱えの力士が待機する。投手が投げ、打者が打つ。野手が補給し、塁に投げる。ここまでは今まで通り。塁にボールが到達した瞬間、各ベンチから力士が一人ずつ走り出す。野手と走者で塁ベースを広げ、簡易土俵を作る。行事は主審が務める。

はっきよーい、残った。

野手側が勝てばアウト、走者側が勝てばセーフ。三振を取れば相撲甚句を歌い、ホームランが出たら土俵入りを披露した。結果、試合時間は長くなり、途中で観客が帰っていく。

試合後に弓取式をやるのはどうか?いや、いっそのこと、野球選手と力士の歌比べをしては。

完全に融合するにはまだかかりそうだ。
その他
公開:23/03/10 10:29
更新:23/03/10 15:04

いづみ( 東京 )

文章を書くのが大好きです。

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