通勤電車

　ガタンッ！！！
　電車の揺れた衝撃で俺は目を覚ました。
　（寝てたのか……）
　いつも乗る電車とは逆方向の電車に今日は乗った。何故そうしたのかは覚えていない。ただ今日はどうしても仕事に行きたくない。ただそれだけだった。
　窓の外を見るといつもは都会のビル群しか見えないが，今日は海が見える。
　乗っている電車の座席の反対側にふと目をやると小学生の頃の親友の雄太と宏が座っていた。二十年以上振りだった。
　「おい！　雄太と宏じゃねえかよ！　久し振りだなおい！」
　久し振りの再会に俺は数年振りにテンションが上がり話しかけた。
　二人は俺の事をにこやかな顔で見つめている。小学校の頃と全く変わらない二人がそこには居た。
　俺は自分が自分でどうしたのか？　という事をたった今自覚した。








　ああ…………そうか，俺は死んだのか。