検閲アプリ

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盗作問題や著作権問題がうるさい世の中である。本人に悪気はなくても似たような作品を書いてしまうことはあるので、小説などの作品を書いてどこかに投稿する場合は検閲アプリに掛けて、盗作類似作でないことを証明することが義務化された。
私も小説を書く趣味があるので、検閲アプリに作品を見てもらった。
「この作品は駄目です。同じような作品を三十五年前に海外の作家が書いております」
え、そうなのか。たかが素人の投稿だからそこまで目くじらを立てなくてもいいだろうと思ったが、決まりだから仕方がない。
私はその作品を諦め、がらっと作風を変えた。私なりに画期的と思う作品を見てもらった。
「駄目です。三分前に国内の人がほとんど同じ作品を発表しました」
そんなどうすればいいんだよ。過去の作家の作品を知らなかったのは無知で仕方がないにせよ、数分前の素人が書いた作品なんて分かるはずもないだろう。
私は小説を書くのを辞めた。
その他
公開:23/03/09 11:05

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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