愛を探す旅 ~勝負パンツ編~

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私は勝負パンツとして買われて、結局勝負がないまま風に飛ばされ旅をしている。
穿いてないのになぜ洗濯したのか雲に乗って考えていると、主人の言葉を思い出した。
「愛って、物にも湧く情のことだと思う」
私は主人に愛されて唐突に洗濯されたのか。目の前に現れた虎革パンツの人に聞くと、
「穿かれないパンツってパンツなの?」そう言って太鼓を叩くと私を雷と一緒に落とした。落ちた先はフライパンだった。たしかに私はフライングパンツだったけど。
命を焼くような恋愛をしていた頃の主人の言葉を思い出した。
「愛って信じることだ」
私もこのフライパンに焼かれながら、信じて愛してみよう。と思う間もなくフライパンの持ち主に捨てられた。

その後も旅を続け、ゴム紐も切れたボロ布となって、主人の最後の言葉を思い出した。
「愛って許すことかも。誰でも許す人になりたい」
やっと分かった気がする。今の私、誰が穿いてもゆるゆるする。
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公開:23/03/11 18:01

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