荷物持ちましょうか?
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プラットフォームで新幹線を待っていた。
身なりの汚い男が手ぶらで近づいてきて私に言う。
「荷物お持ちしましょうか?」
生憎、私には荷物という荷物がリュックサックしかない。面倒なことはごめんだと財布から紙幣を一枚抜いて、男の手に握らせようとした。
「そんなつもりはないんです」と男は首を振った。
「なにが要り様なんです?」と私は聞く。
「なにがって言われると困ります。なんでもいいといえばなんでもいいんです」
よく見ると男のズボンには表にも裏にもポケットがない。シャツの胸ポケットにもタバコの膨らみさえ見当たらなかった。
私は気の利いたことが思い浮かばなかった。それに小銭もない。仕方なく、売店で漫画雑誌を買ってきて、男に差し出した。
「これでも読んで過ごしてください」
雑誌を受け取るや適当なページを開いて、男は言った。
「よかった。これで終点までやり過ごせそうだ」
ニヤニヤしていた。
身なりの汚い男が手ぶらで近づいてきて私に言う。
「荷物お持ちしましょうか?」
生憎、私には荷物という荷物がリュックサックしかない。面倒なことはごめんだと財布から紙幣を一枚抜いて、男の手に握らせようとした。
「そんなつもりはないんです」と男は首を振った。
「なにが要り様なんです?」と私は聞く。
「なにがって言われると困ります。なんでもいいといえばなんでもいいんです」
よく見ると男のズボンには表にも裏にもポケットがない。シャツの胸ポケットにもタバコの膨らみさえ見当たらなかった。
私は気の利いたことが思い浮かばなかった。それに小銭もない。仕方なく、売店で漫画雑誌を買ってきて、男に差し出した。
「これでも読んで過ごしてください」
雑誌を受け取るや適当なページを開いて、男は言った。
「よかった。これで終点までやり過ごせそうだ」
ニヤニヤしていた。
その他
公開:23/03/11 10:01
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