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美術教師をしている僕は深夜の学校で彼女と出会った。
彼女は微笑みを浮かべ、僕に抱き着いた。夢じゃない…彼女の熱、吐息を感じる。
「君に会いたくて出て来ちゃった」
僕は視線を動かす。本来、彼女がいるべき絵画へと目を向ける。
絵画は彼女の部分だけが切り抜かれたかのように真っ白になっていた。
それじゃ、彼女は本当に絵の中から抜け出てきたのか?
「そう言ってるじゃない。私、もう絵の中には戻らないからね」
彼女はそう言うと僕に絵の具セットを突き付けた。
「だから今から描いて。私をモデルに、空白部分に私を描いて」
思わず唾を飲み込む。筆を執り、絵画に絵の具を塗っていく。
彼女の描かれた絵に憧れた。一目惚れだった。青春時代、何度も真似して描いた。
筆を走らせる。目の前の彼女と瓜二つの女性を描き切った。
落ち着いて、ふと考える。何で彼女は僕に描かせたのだろう?
「君は絵心あるのに女心は分からないのね」
公開:23/03/10 20:38

幸運な野良猫

yahoo!サーバーに問題が発生したらしく2022年9月1日より2週間入れなかったので新規にアカウント取得。
半年以上毎日Yahoo!IDでログインを試みるも、現在進行形でログインできない状態です。#EY003って何だ?
運営に報告するも、ずっと無視されております。自動応答メールだけが返ってくる…1年経過で、もう諦めた…

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