恋花~コイバナ

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恋物語を好むのは、人に限った話ではございません様で。
ここに咲く一輪の花、その名も恋する花と書いて恋花(こいばな)と申します。
ひと様の恋愛語りも恋バナと呼びますが、この花が好むのは、それら恋バナの中でも極上品の、後世に語り継ぐべき大恋愛。花だけに美意識が高いと見え、そんじょそこらのゴシップには花先も引っかけぬ、まさに高嶺の花でございます。

恋花の面白いのは、お気に入りの恋に出会うと、それを自分の花びらに写して見せびらかす癖があるのです。推しの話を花に押す、推し花(おしばな)というわけです。
そのまま読むのも趣がありますが、散り際に花びらを一枚一枚脱ぎながら、蓄えた話を語り聞かせてくれるひと時は、あたかも千夜一夜の夢芝居。

どうぞ、お客様も一株いかがでしょう?
何、私には聞かせる様な恋バナがない?
ならば今から恋をすればよろしい。見事な恋模様に彩られた、華のある人生が過ごせるでしょう。
ファンタジー
公開:23/03/06 19:49
月の音色 月の文学館 テーマ:恋

創樹( 富山 )

創樹(もとき)と申します。
前職は花屋。現在は葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書き(もどき)をしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.12執筆参加
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。

【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞。2022年6月アンソロジー出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞受賞

いつも本当にありがとうございます!

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