旅は道連れ世は情け

難病の子どもが悪魔召喚を行い、俺を呼び出した。
こいつは家族を幸せにして欲しいと願う。
俺はその叶えてやった。そして魂を頂く。
まあ、思った通りだ。今のこいつの魂は何の価値もない。本当の願いを叶えたわけでないから当然だ。
俺は子どもの魂を連れ、世界中を飛び回った。
お前は旅行に行きたいという願いを抱えていただろう？沢山の人と触れ合ってみたいと願っていただろう？
俺の仕事はそれを可能にする。
そもそもお前は何を以て幸せとするかを理解していない。俺の仕事に同行させ、幸せを教えてやる必要があった。
だがコイツと来たら俺が幸せを教えてやればやる程、魂の輝きを失わせる。願いを叶えてやってこれだ。やってられない。
だから俺は魂を元の肉体に戻してやった。
今なら家族にとっての本当の幸せが分かるだろう？
病気は治しておいてやる。それは貸しだ。
お前が人生と言う名の長い旅を終えた時、また回収しに来るからな。