トリップアート
2
4
だまし絵ならぬ旅し絵を集めた美術館『不思議な旅時間』がオープンした。
収蔵絵画の鑑賞にとどまらず、中に入って作品世界を旅できる画期的な展示が注目を集め、人が人を呼ぶ状態だという。
散策視の巨匠リョッシャーのトリップルイユ。サラバドール・タビに泡沫旅芳(うたかたたびよし)の浮旅絵。名実ともに世界を股にかけた、放浪画家達の軌跡を辿る道の饗宴。そんな宣伝に釣られて額縁をくぐった観光客は、驚愕の光景に立ち尽くす事になる。
立ち入り禁止の看板と張り巡らされた規制線。景色を埋めるHELPやSOSの文字。
そして『尋ね人』と書かれた掲示板の、現在進行形で増えていく行方不明者らしきリスト……
リョッシャー、タビ、旅芳。いずれも終生を旅に過ごし、旅空に果てた筋金入りの放浪画家。ここに展示された作品は彼らの遺作であった。
救助と捜索の為、人が人を呼ぶ美術館。帰還の保証のない放浪は、つまり遭難なのである。
収蔵絵画の鑑賞にとどまらず、中に入って作品世界を旅できる画期的な展示が注目を集め、人が人を呼ぶ状態だという。
散策視の巨匠リョッシャーのトリップルイユ。サラバドール・タビに泡沫旅芳(うたかたたびよし)の浮旅絵。名実ともに世界を股にかけた、放浪画家達の軌跡を辿る道の饗宴。そんな宣伝に釣られて額縁をくぐった観光客は、驚愕の光景に立ち尽くす事になる。
立ち入り禁止の看板と張り巡らされた規制線。景色を埋めるHELPやSOSの文字。
そして『尋ね人』と書かれた掲示板の、現在進行形で増えていく行方不明者らしきリスト……
リョッシャー、タビ、旅芳。いずれも終生を旅に過ごし、旅空に果てた筋金入りの放浪画家。ここに展示された作品は彼らの遺作であった。
救助と捜索の為、人が人を呼ぶ美術館。帰還の保証のない放浪は、つまり遭難なのである。
ミステリー・推理
公開:23/03/08 20:01
プチコン
旅
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
https://amzn.to/32W8iRO
ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
ログインするとコメントを投稿できます