桜ノ翼

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桜の花びらが舞っている。僕はその花びらをかき集めて翼を作った。ピンク色の綺麗な翼だ。

ねえ、どう?
春の空を舞うのにぴったりな翼だと思わない?

風が吹いたら、ふわっと僕の体は浮き上がり、足は地面から離れた。浮いた。そのまま翼を動かすと、どんどん地面から離れていく。そして風を捕まえた。僕は風に身を任せ、空を自由に駆け抜けた。空から見る桜の木は、とても美しかった。僕はしばらく空を飛んでいたけれど、そのうち疲れてきた。そろそろ帰ろうかと思ったとき、突然強い突風が吹いて、僕はバランスを崩してしまった。地面に落ちてしまった僕は体中を強く打った。痛みで涙が出た。でもそんな僕を心配してくれる人はいなかった。みんな、僕を見て笑っていた。「あーあ、落ちた」「ださい」そんな声も聞こえてくる。僕は恥ずかしくて悔しかったけど、何も言い返せなかった。でもまた懲りずにまた挑戦するだろう。あの景色は最高だから。
公開:23/03/08 08:24

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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