春と煙/リップクリーム

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ベランダに出ると春の風が吹いていた

なにか、なんでもいいから僕は僕からなにかを生み出さなくてはいけないと思わされた

やさしく撫でておくれよ
煙草のけむりが通った場所にひかりが差していたことに気づいたんだ


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きみのくちびるが荒れてたから
リップクリームを差し出した
きみはなんの戸惑いもなくそれを使った

それがなんだか嬉しくて
きみが使ったリップクリームに
空を見せたり、一緒に食事をしたり、した

リップクリーム、リップクリーム
たからもの
青春
公開:23/03/06 07:19

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