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旅行カウンターで「あてのない旅を一つ」と言うと、担当者が「規定に従ってこちらの二つのカードの山から一枚ずつ引いてください」と言う。
少しイライラしながらカードを引くと、「やさしい」と「チョップ」と書いてある。これは何かと尋ねると、
「あてのない旅は禁じられています。旅を続ける目的も終えるきっかけもないまま彷徨い続ける遭難者が増加しているからです。それであなたの旅は『やさしいチョップを探す旅』として認可されました」と言う。
やさしいチョップ? そんなものを探す旅なんて嫌だ。と僕は抵抗した。すると、担当者は大きく頷きながら「単なる名目ですから義務はありません。お客様は『あてのない旅』のつもりで旅をすればいいのです」と言った。
それから七年。
水平? 垂直? あ、逆水平かな? 片手? まさかの両手だったりして。
お願いします。
お願いします。
あなたのチョップを見せて下さい。
少しイライラしながらカードを引くと、「やさしい」と「チョップ」と書いてある。これは何かと尋ねると、
「あてのない旅は禁じられています。旅を続ける目的も終えるきっかけもないまま彷徨い続ける遭難者が増加しているからです。それであなたの旅は『やさしいチョップを探す旅』として認可されました」と言う。
やさしいチョップ? そんなものを探す旅なんて嫌だ。と僕は抵抗した。すると、担当者は大きく頷きながら「単なる名目ですから義務はありません。お客様は『あてのない旅』のつもりで旅をすればいいのです」と言った。
それから七年。
水平? 垂直? あ、逆水平かな? 片手? まさかの両手だったりして。
お願いします。
お願いします。
あなたのチョップを見せて下さい。
青春
公開:23/03/05 21:45
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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