あ〜あ、買っちゃった。
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ある日、見覚えのある男がうちにタトゥーを彫りに来た。
「お客さん、前も来てくれたよね?」
「ああ。この前はありがとな」
「今回は何を入れましょう?」
「これで頼む。前回のタトゥーの下に彫ってくれ」
「……承知いたしました」
私は本当にこれでいいのか何度も確認して、彼の手のひらにタトゥーを彫り始める。
「つかぬことをお伺いしますが、前に彫らせていただいた“大根”とは……?」
「買い物のメモだ。忘れっぽくてね」
「は、はあ。じゃあ今回も……?」
「そうだ」
タトゥーを入れて数分後、彼は何者かによって完膚なきまでに叩きのめされ、道端に傷だらけで臥せっていた。
ちゃんと忘れずに買い物へ行けたようだ。
「お客さん、前も来てくれたよね?」
「ああ。この前はありがとな」
「今回は何を入れましょう?」
「これで頼む。前回のタトゥーの下に彫ってくれ」
「……承知いたしました」
私は本当にこれでいいのか何度も確認して、彼の手のひらにタトゥーを彫り始める。
「つかぬことをお伺いしますが、前に彫らせていただいた“大根”とは……?」
「買い物のメモだ。忘れっぽくてね」
「は、はあ。じゃあ今回も……?」
「そうだ」
タトゥーを入れて数分後、彼は何者かによって完膚なきまでに叩きのめされ、道端に傷だらけで臥せっていた。
ちゃんと忘れずに買い物へ行けたようだ。
ミステリー・推理
公開:23/03/05 18:45
更新:23/03/05 18:53
更新:23/03/05 18:53
さあ、参りましょう。夢の後始末に。
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