桜の森でまた会おう

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今日は高校の卒業式だ。皆ともお別れだ。皆それぞれの道へと旅立っていく。卒業式を行っている中、皆、泣いていた。
「うっ……ううっ……」
俺は四月から地元を離れ、大学へと進学する。新たな出会いも待っている。そう思うとワクワクしているのだけれど、皆はまだ泣いている。
「嫌だよぉ……。離れたくないよぉ……」
まあ確かにせっかく皆、仲良くなれたのに離れてしまうというのは、少し寂しい気持ちはする。だから俺は教室で一番に立ち上がり、高々と言う。
「皆、せっかくの卒業式なのに泣くなよ。俺達の晴れ舞台なんだぞ。そうだ、写真だ。桜の森で皆で写真を撮ろう」
そう言って皆で桜の森と呼ばれる学校内の桜の木の下で、写真を撮った。
皆に笑顔が戻ってきた。
「お前ら、元気でな。必ず同窓会やろうぜ。桜の森の下で、今度は酒飲んで花見ってのも楽しいかもな」
そんな陽気な事を言った帰り道、俺は誰もいなくなったのを確認して泣いた。
公開:23/03/05 06:14

富本アキユ( 日本 )

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・作詞を担当
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