復讐代行機

復讐代行機という物が発明された。その人への恨みつらみの念を機械に入れ込めば、機械がその人に恨みの念波を送りその人は報いを受けるのである。
例えば知人のアドバイスを受けて転職したが、失敗したとする。通常なら自分の責任と考えるところだが無責任な知人が悪いと当人は恨みに思い、機械に念を送る。当人の精神も浄化され知人も報いを受ける。
日本は自分が非を認め謝るのが美徳とされる。しかしそれだと行動が萎縮してしまい、弱者がますます追い詰められていく。
そこで失敗したのは自分だけのせいではない、あの人の方がもっと悪い、あの人もダメだったと機械に念を送り復讐を果たしてくれれば復讐を恐れトカゲの尻尾切りもなくなるし、みんな責任を持って行動するようになる。
みんな失敗を恐れずに挑戦するようになり、精神を病む人が少なくなった。
ただ何故か大怪我をしたり、大病に罹る人は増えた。目つきの悪い気の荒い人も増えた。