花は歩く

花が土から出て歩くようになった。散歩したり喋ったり、物を食べたりするようになった。
仕事もするようになった。ただ環境を汚染するような仕事は嫌がった。人間としてもそれは受け入れ、そうだな環境汚染は巡り巡って自分たちの首を絞めることにもつながるからそういうことは、これからはしないでおこうとなった。
花も人のような暮らしがしたかったようだ。永年の夢が叶えられてよかった。
人も植物になることができた。養分を吸い取り、自然と一体となる心地よさに見を浸す人も多かった。
だが人が植物になると攻撃されることが容易になるため、常に植物園などで強力なガードマンを付けることが必須だった。あえて道端で花になる猛者もいたが、子供に刈られたり踏まれたりと往生することが多かった。
植物も歩いている時に暗殺、誘拐をされることもあったので吸血植物や食虫植物をガードに付けて身を守った。
人と植物が共存共栄できるようになった。