バーチャルプローブ

内視鏡検査に行ったら若い医師が「最先端のプローブを承諾下さい」「プローブって肛門に突っ込むやつ？」医師が指で挟んだのは５ミリほど。「これで腸内を詳しく見ます」「コードとかは？」「オフラインです。腸内をカメラで検査します。」次にゴーグル状の眼鏡を出した。「バーチャルプローブです。この眼鏡でリアル腸内に入れます」「承諾しますからそれを僕にかけさせて下さい。面白そう」「いいでしょう私はモニターで。会話もできます」
ベッドに横になって眼鏡をかけた。「入ります」医師の声と同時に肛門に挿入された。ピンク色の洞窟だ。きれいだが悪臭。「先生、臭いんですが」「臭いも感知します。我慢して」しばらくすると臭いに慣れてきた。腸内を泳ぐように進む。医師が「小腸で引き返します」「先に行ってみたいです」「では、胃、食道そして口腔から出ます」小腸、十二指腸の複雑な壁面。食道を抜けて自分の口から出るとは！ワクワクしてきた。