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マリの車は穴だらけだった。フランスパンの切り口の気泡みたい大きさもバラバラの穴。車体を人差し指でぎゅーっと押すと柔らかく、指の形に凹んでしばらすると元に戻った。「フレンチカーっていうの。」マリの運転で、僕らは里見が丘公園に向かった。ミモザが満開だ。黄色くフサフサしたミモザから、陽だまりの香りが漂ってフレンチカーにしみこんだ。「わぁ、いい香り。」心地よい香りと睡魔に包まれて、僕らは車の中でウトウトと眠った。
ポ、ポツ、ポツ、ポツポツポツポツポツーーーーーー。
さっきまでの青空が嘘のように、灰色の空から細い雨が休みなく降り注ぐ。車はふにゃふにゃと傾いて、中まで雨がしみてきた。ひゃ~。
「こちらでーす!」突如、洗車機風の物体と男が現れた。手招きされた方へと進む。「乗ったままで大丈夫ですよ。」車内がじんわりと暖かくなり渇いてきた。
チン!
こんがり焼き色のついた車体から、はちみつの香りがした。
ポ、ポツ、ポツ、ポツポツポツポツポツーーーーーー。
さっきまでの青空が嘘のように、灰色の空から細い雨が休みなく降り注ぐ。車はふにゃふにゃと傾いて、中まで雨がしみてきた。ひゃ~。
「こちらでーす!」突如、洗車機風の物体と男が現れた。手招きされた方へと進む。「乗ったままで大丈夫ですよ。」車内がじんわりと暖かくなり渇いてきた。
チン!
こんがり焼き色のついた車体から、はちみつの香りがした。
公開:23/03/02 23:54
初投稿は2020/8/17。
SSGで作品を読んだり書いたり読んでもらえたりするのは幸せです。趣味はほっつき歩き&走り(ながらの妄想)。
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