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恋とは空腹のときに食べる料理に似ている。
口の中に入れてしばらくの間は最高だが、時間と共に徐々に飽きが来る。
だから人はより刺激的なスパイスを料理に振りかけ、飽きが来ない様に工夫する。
でも、世の中には過食症や拒食症の人間もいる。
例えるなら、食べても食べても満足感が得られない者は恋人を頻繁に変える者、料理を食べたくないと言う者は恋に臆病な者たちだ。
この者たちには治療が必要である。
放置しておけば不幸な人間が世界中に増えてしまう。
だから、恋の代替食の開発が必要だと思う。
具体的にはフリーズドライ食品の様にインスタントに恋人が出来れば良いのだが、現実は難しい。先週、試作品を作って街の人に体験してもらったのだが、案外、好き嫌いが激しいのだ。「骨抜きにしろ」だの、「クールにして」だの、「もっと性格を柔らかくして」だの言ってみんなわがままだ。ああ、もう嫌だ。インスタント恋人を作るのは疲れた。
公開:23/02/23 12:23

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