笑顔の男

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話しかけてきたのはスーツを着た、いかにもビジネスマンといった、不気味な笑顔の男だった。

「君、今成績が上がらなくて困ってるでしょ。君はラッキーだ。この装置を頭につけるだけで劇的に成績が伸びるぞ。お代はいらない」

男はヘアピンのようなものを差し出してきた。

つけるだけで成績が上がる?そんな旨い話あるわけない。

...。

欲しい。

結局俺はその装置をもらった。

家に帰り、早速その装置を着けてみると、すらすら問題が解けるようになっている。

すごい!すごいぞ!


そして俺はそのまま装置を使って、日本一の大学にも入学することができた。

こんなすごい装置自分だけ使うのはもったいない!
みんなにも配ろう!

すると、手からにゅるりとあのヘアピンが生き物のように生まれてきた。

そんなことはどうでもいい。

みんなに配ろう。

身だしなみを整えようと鏡を見ると、不気味な笑顔の男がいた。
SF
公開:23/02/23 11:24

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