因果は巡る

日本代表サッカーチームは初のトーナメント一回戦突破を目指していた。同点の後半戦終了間際、フォワードの選手が絶好のチャンスを得てシュートを打とうとした。
その時何故か外国人の恨みがましい顔が、宙に浮かんできた。動揺した選手はシュートを外してしまい日本は負けてしまった。

あるビルの一角で企業の一員として働く男は、プレゼンで熱弁を奮っていた。上司も取り引き先の人間も、関心を寄せ聞き入っていた。よしこれで間違いなく大口の契約が結べるなと確信した矢先、円も縁もない怨念を浮かべた男の顔が目の前に現れた。その後のプレゼンはしどろもどろになり、失敗に終わり大口の契約を逃した。

どうやらスタジアムの建設や、ビルの建設に携わって無理が祟って死んだ男たちの霊が突然現れたらしい。しかしそんなことが周囲の人間に分かるはずもなく、失敗した男たちはA級戦犯として国民や上司からバッシングを受け生ける屍となった。