デパ地下にいたコンビニ店員

私は見てしまった。この世の見てはいけないものを。デパ地下には幽霊がいる。デパ地下にはコンビニがあるのだが、そこの店員は一週間前、交通事故によって亡くなったという新聞記事を見たのだ。だが、なぜかデパ地下で、あのコンビニ店員は、生き生きと仕事をしているのだ。私はビックリしながらも、その場を急いで去った。あの人死んだはずではないか。家に帰って新聞を確認する。他人の空似？もう一度確認する。顔はやはりそっくりでどう見ても本人だし、名前だって名札の名前と同じだった。私は幽霊に接客してもらったのか。恐ろしくもあったが好奇心もあった私は、再びデパ地下を訪れた。するとそこには、あの店員がいた。だから私は問うた。
「あなた幽霊ですか？」
「え？幽霊？何を言ってるんですか？」
どうやら幽霊ではないらしい。じゃあなぜ……？
新聞紙の日付を見ると一週間後の未来新聞だった。私は慌てて、事故に気を付けてと伝えに行った。