眼帯転校生

僕のクラスに転校生が来るらしい。その話題でクラスは朝から持ちきりだ。どんな人だろうね。男らしいよ。イケメンだった？
色んな声が聞こえてくる。そして担任の先生が教室に入ってきて、朝のホームルームが始まる。
「えー、今日からクラスに新しい仲間が増えます。名前を柏木雄介君と言います。柏木君、入ってきてください」
クラスの全員が入り口のドアに視線を送る。柏木君が入って来た。ロングヘアーで右目に眼帯をかけている。目の怪我でもしたのか、とても痛そうだ。
「さあ柏木君、自己紹介して」
「ブレンライン王国、第七皇子のアルベルトだ。……いや、今は組織の目を欺くために柏木雄介として来ているのだった。失敬。今の話は忘れてくれ。柏木雄介だ。よろしく頼む」
とても濃い奴がきた。これはいわゆる中二病といううやつか。痛い。痛すぎる。だがしかし、後に分かった。彼は本当にブレンライン王国の王子だったのだった。