酔っ払いゲーム機

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「あー、もう! 何でこんなに面倒くさいんだよ!」
 ゲーム機は、アルコールの臭いを漂わせ、身体中が真っ赤になっている。
「おい、お前ら! 俺様を誰だと思ってるんだ!?」
「……えっと、確か、酔いどれゲーム機だったよな?」
「誰が酔っぱらいじゃぁあああっ!! いいか? よく聞け! この偉大なる魔神である――」

「あー、はいはい。分かったから、とっとと帰れ」
「こらぁ! 最後まで話を聞かんか!」
「ったく……。それで、何しに来たんだよ?」
「決まっておろう! 貴様らの願いを叶えるためだ!」
俺は、悪態をついた。
「やれやれ……」
ため息をつくと、もう一度、ゲーム機のスイッチを押した。
するとゲーム機はアワを食って言った。
「3つの願いを言わないと、俺様は解放されないんだ!」
「願いが叶うとロクなことにならねーんだよな。
じゃあまたねー」
ゲーム機は、廃品回収に回された。
ファンタジー
公開:23/02/17 05:08
SSnote 酔っ払い ゲーム機 魔神 3つの願い

たじま えりこ( 広島 )

カクヨムで『日々の事柄』を連載中。
2022年からエッセイストになるため修行しているが、
広島のサンモールで一部のエッセイが掲示されたことがある。
Novel Days では『Ingress――日常を冒険しよう』のPVが
13,000を突破している。

 

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