パーツ交換

体のパーツ交換ができるようになった。例えば喉が弱い人なら喉、腰が痛い人は腰が丈夫なパーツに交換してもらえた。
これで働ける趣味に励むことができると、みんなに喜ばれた。国としても医療費負担が減り、働ける人材を確保できたのだからありがたい話であった。
しかしさすがに脳までを換えることはできなかった。だから認知症になったけど、体は健康体という人も多くなった。
これは厄介な事態となった。従来ならば寝たきりになったり、あまり動く元気もない体になってくれていたから多少の救いはあった。だが今はなまじ動けるから余計な動きをして仕事で派手な失敗をしたり、人にひどい暴力を振るい大怪我をさせたりと手のつけられない事態を引き起こしていた。
国は陰で司令を出し問題行動を起こした人を保護するという名目で、病室に隔離した。注射を当人に打ちじわじわと死に追いやった。
こうして国としての、人材のパーツ交換も円滑に進んだ。