適切な予言

百発百中の予言をする少女がいた。千里眼のようにあらゆる災害を具体的な日時、場所、災害の大きさまで言い当てるのである。それを起きる前に堂々とSNSなどに載せているのだから、どんなに疑い深い人でも信じないわけにはいかない。いや信じなくてバカを見るのは自分なのだから、世界中の人々は彼女の予言を神の予言を聞くように待ち構えた。それによって被害を最小限に防ぐことができたのだから、彼女を本当の神だと信じる人も多くいた。
ある日彼女は具体的な日時つきで、地球は滅びると予言した。世界中の人々は争いを止め愛し合おう、仲良くしようとなった。互いに抱きしめ合い感謝の言葉や謝罪の言葉を述べた。人類は最後の最後で初めて心が一つになり、分かり合うことができた。
だが大災害は起きたものの、全人類の五分の一くらいは生き残った。生き残った人々は一段とひどくなった環境の中で生き延びるために、残酷な争いをするようになった。