焼きたてですよ

今日、仕事でとても嫌な事があった。
だから私は肉を焼く。２キロの塊肉を購入し、それをフライパンで焼く。
当然この大きさだから火は中々通らない。そんな事は承知の上だ。
私はまず、表面をまんべんなくしっかり焼く。頃合いを見てはフライパンの上で肉を切り、それをしっかり焼く。まずはヴェルダンから。
この一つの塊肉で私はレア・ミディアム・ヴェルダンを楽しむ。
調味料は何を使おう？パッと目に入ったものを掴むとフライパンの上で油にダンスを強要する切り分けた肉にぶっかける。まるでスタンディングオベーション。私も拍手喝采だ。
その余韻を保ったまま肉を口へと放り込む。美味い…
さらにジョッキに注いだ酒を一気に煽る。缶ではダメだ。肉に敬意を払う為、酒はジョッキに限る！
今日の憎々しい記憶が肉によって美味しい記憶へと塗り替えられる。まさに至福の一時。
完食すると私は謎の優越感に包まれる。明日の仕事も頑張れそうだ。