焼きたてですよ

明かりをつけましょ雪洞に。お花をあげましょ桃の花。
春。桃、梅、桜とピンクに色づく山々。
一説によると明かりとは花の色付きの事で、雪洞は山を示しているらしい。この歌は春の山に花が咲く風景を詠んでいると言われている。
実は山と火は切っても切れない関係にある。京都の五山送り火なんてその代表格だ。
夏は新緑の季節。生命力に溢れ緑が萌える。
秋は紅葉の季節。山はその装いを紅へと変え、花の彩にも負けぬ燃えるような朱の美しさを見せてくれる。
冬になると山は眠る。その表面を白く染め上げるは雪化粧。この雪もまた山を燃やす。
冬の山を燃やしているのは淡雪だろうって？
確かに淡いという字には炎という漢字が入っている。だがそれは間違いだ。
淡雪は３月、春に降る雪を指す。どちらかと言えば雪洞に近い。
ふふ…間違えたからと言ってそんなに恥ずかしがらなくてもいいよ。
今の真っ赤になった顔も雪焼けと呼ぶのだからね。