ゴーストライター機

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ゴーストライター機が誕生した。自分が機械に向かって喋れば、機械がその人の能力に合わせて作品として仕上げてくれるのである。今までの人としてのゴーストライターだと打ち合わせとか録音とか、印税の取り分とか面倒なことも多かったが、この一台さえあれば機械を買う金だけで済んだので概ね好評だった。
それは小説に限らず、どんな分野でもよかった。文章を書くのが苦手な人でも機械がそれなりに仕上げてくれた。
ただネームバリューがある人の作品ならともかく、猫も杓子も作家を気取って出版社に持ち込むものだから編集者も閉口した。
機械はあくまでその人の能力に合わせて仕上げるだけなので、あまり才能もなく努力も大してしていない人が得意気に原稿を持って来られても読む時間の浪費なだけなのである。
今度は出版社は読書判断機というのを導入した。原稿を入れると瞬時に良し悪しを見分けてくれるのだ。時間の浪費は防げるようになった。
その他
公開:23/02/11 22:11

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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