呪いの宝くじ

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この手の話は枚挙に暇がないが、これはその中でもとびきりだ。
まずは話を聞いてほしい。
――――――
ある日のこと。
僕が帰宅すると、母から手紙を渡された。差出人は知らない名前だったが、切手も貼ってあるし、どうやら正式な郵便らしい。
しかし奇妙なことに消印がなかった。自分で投函したのだろうか。
ともあれ、中身を見てみると、そこに例の、不幸な手紙と共に宝くじが入っていたのである。
これを早く換金しないと、不幸がやってくるそうだ。
まさかと思ったが、宝くじをある人と交換したら、500円しかもらえなかった。
僕はその500円を持って、店へ行った。すると店の人が言った。
「お客さま、困ります。ちゃんとお金を払ってください。ここにあるのは犬の絵の描かれたコインだけですよ?」
「そうですよ、ここの料理はのろいし、ワンコインで食べられるって聞いたから」
その他
公開:23/02/14 05:10
SSnote 呪いの 宝くじ

たじま えりこ( 広島 )

カクヨムで『日々の事柄』を連載中。
2022年からエッセイストになるため修行しているが、
広島のサンモールで一部のエッセイが掲示されたことがある。
Novel Days では『Ingress――日常を冒険しよう』のPVが
13,000を突破している。

 

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