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公園に行くと彼女がベンチに座っていた。
「いや~、お久しぶりですね」
僕はそれとなく声を掛けた。
彼女は「はぁ~、誰だろう」といった怪訝な顔をした。
「僕ですよ、僕。一か月前に街であなたが友人と話しているのを見かけた者です」
彼女は「知らんがな」という表情をし、関わらない様にしようとそっぽを向いた。
「もう、無視しないで下さいよ。つれないなぁ。僕とあなたの仲じゃありませんか」
彼女は「はっ、もしかしてこの人、私のストーカーかしら」という表情をした。
「あっ、僕の事、怪しい奴と思っています。違いますよ。僕はあなたのファンです。あなたの愛らしい姿を陰ながらこのフィルムに収めるのが趣味なんです」
彼女はサッと立ち上がり、早くこの場を去ろうとゆっくりと後退りを始めた。
「それでですね。あなたの写真集を発売する事にしました。これはその初版本です。受け取って下さい。その名も「ニャンて事ない日常」です」
公開:23/02/12 20:21

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