電話のベルが鳴り響く

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昨夜は徹夜だった。研究に没頭していたからだ。幸いにも今日は休み。惰眠を謳歌して一日過ごすとしよう。
ジリジリジリ。ジリジリジリ。
脳を突き刺すような大音量の電話のベルが鳴り響いた。未だに固定電話の黒電話を持っているのは、防災用の為だ。家にかかってくる電話なんてろくなものではない。セールスの類か、あるいは……。
その”あるいは”という線もあるので、電話に出ない訳にもいかない。
ようやく布団に入ってウトウトとし始めた頃だったというのに、実にタイミングの悪い事だ。だが眠い。もういっそのこと無視しようか。出かけていた事にして、また後でかけなおせばいい。そうしよう。今は眠ろう。
ジリジリジリ。ジリジリジリ。
電話は鳴りやむ気配はない。イライラしながら根負けし、電話を取る。
「はい」
「君が探していた新しい助手が見つかってね。挨拶がてら校内を案内してあげて欲しいんだ」
私は不機嫌なまま向かう。
公開:23/02/06 09:16

富本アキユ( 日本 )

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・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
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・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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