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ふと、私の頭にこんな言葉が浮かんだ。
「恋はするものじゃない。落ちるものなのさ」
どこの誰に聞いたのかもう覚えていない。
でも、そのセリフだけは頭の片隅に残っていたらしい。
ではなぜ、そんな言葉を思い出したかと言えば、私の目の前に実際に恋が落ちて来たからである。
私は当初、それを雪だと思っていた。空からゆっくりと舞う様に落ちて来たし、気温も低かったからである。
だが、しばらくして違うと分かった。形が変なのである。それはハートの形をしていた。そしてあからさまに恋の文字が見えた。
怪しい。怪しすぎる。
私は指でツンツンして見る。
するとそれは私の指が触れた瞬間に溶けてしまった。
私は思った。これは異常だ。気象もそうだが、私の頭の中が。
もしかして私は知らぬ間に異能力を手に入れてしまったのだろうか。
私は自体把握のため急いでテレビを付けてみた。
・・・私は驚愕した。
世界が恋に押し潰されていた。
公開:23/02/08 03:21

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