焼きたてですよ

「かぐや姫様！火鼠の皮衣を持ってまいりました！」
男が差し出してきたそれを私は火の中に放り込んだ。すると案の定、男が持って来た火鼠の皮衣は燃え、すぐに炭と成り果てた。
焼きたてですよ！と、意地悪く笑えば、その性格の悪さに男は”百年の恋も冷めた”と言わんばかりに私を見つめる。
呆然とする男。その袖から色鮮やかな球が転がり落ちた。私の知らぬものだ…それは何だ？と尋ねる。
「これですか？火鼠の皮衣を探し、大陸を練り歩いていたところ、袖の下怪獣と呼ばれる生き物と遭遇しまして、それを封じ込める怪獣玉でございます」
男が怪獣玉を宙へと投げると中から黄色い鼠のような生き物が現れた。
「こいつはそこで捕まえた電気鼠でございます。雷を自在に操る鼠ですが、姫様の所望するものとは大違い…申し訳ありません。儂はこれで失礼します…」
ピカチュー！と鳴く鼠を連れ、男は出て行った。
あの生き物、めっちゃ欲しかったぁ…