吸文鬼

人の生き血を啜る怪物に吸血鬼というものがいます。私はそれに近い存在です。
私は吸文鬼。文章から字を啜ります。
今の時代AIの書いた文章からも字を啜る事は出来るのですがAIの文章は味気ないんですよね…予測変換の文も同様です。やはり人の綴った文を吸うのが一番美味しいです。
吸文鬼に字を吸われたらどうなるかって？文字が怪物化します。文字化けです。
有名なもので言えば、枕草子や徒然草があります。あの読み辛い文章は私のご先祖様がやったものです。
実はヴィオニッチ手稿も吸文鬼の仕業なんです。
見ての通り、私達の存在は吸血鬼に比べると地味です。あと吸文鬼は人を襲いません。
吸血鬼と同じように人を餌としてしか見ていないのは確かですけど、人の書く文章が好きなので人と共存しています。
そんな私の職業はプログラマー。吸文行為で文字化けさせる特性を活かし、世界で最もセキュリティの高い暗号化システムを開発しました。