たらりらりら
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昔、おばあちゃんは不思議な呪文を教えてくれた。それがたらりらりらだ。決して使ってはいけない。人生で一度だけ、本当に困ってどうしようもなくなった時に使いなさい。と言って、おばあちゃんは亡くなった。それから僕は、いざとなれば、たらりらりらがあると思えば、何でもできた。自然と怖くなかった。心強かった。おばあちゃんがいつも見守ってくれていると信じていた。でも大人になり、次第に僕は、たらりらりらは気休めで、本当は魔法なんてないんだと思うようになった。そう思うと、僕の人生は途端に上手くいかなくなった。もう嫌だ。何もかもが嫌になった。マンションの屋上にいき、身を投げる覚悟をした。そして最後に呟いた。
「たらりらりら」
そう言うと、おばあちゃんの笑顔が思い浮かび、声が聞こえた。
「大丈夫だよ。大丈夫だから。生きなさい」
僕は涙を流し、その場に座り込んだ。そして今も、たらりらりらは僕にとって、魔法の言葉だ。
「たらりらりら」
そう言うと、おばあちゃんの笑顔が思い浮かび、声が聞こえた。
「大丈夫だよ。大丈夫だから。生きなさい」
僕は涙を流し、その場に座り込んだ。そして今も、たらりらりらは僕にとって、魔法の言葉だ。
公開:23/02/02 07:25
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