セルフガソリンスタンド

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セルフガソリンスタンドに寄って給油していると、黒いシルクハットを被った男がこっちに近づいてきた。
「このスタンドには、人のあらゆる力を再び満タンにしてくれる機械があるらしい」
「なんだそれ?」
「例えば視力。落ちた視力も満タンにすれば目が見えるようになる」
「凄いな、それは」
「だろう?だが隠されていて、どこにあるのか分からない。そこで相談なんだが、あんたも一緒に探してくれないか?」
「わかった。いいだろう」
スタンド内を探し回ってようやく見つけた。機械の裏側にあるボタンだった。それを押すとスタンド内が振動し、新しい給油口が出てきた。
「これがカラクリか」
「おっ、兄ちゃん。やったな。ところであんた、何を満タンにしたいんだ?」
「俺か。俺はな、若さを満タンにしたいんだよ」
そうして俺は口に給油口を入れ、若さを入れた。しかしどんどん老化していった。若さではなく、年齢を入れてしまったようだ。
公開:23/02/02 07:11

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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