猫の拾ってきた魔法

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うちのタマは、ヘンなものを拾ってくる。
ゴキブリ、コウモリ、ハトの死骸。
空き缶、空き瓶、そしてなぜか
コロポックルまで拾ってきた。

しかもそのコロポックルは忍者の恰好をしており、
ネズミのシッポを生やしていた。

このちいさなちいさな忍者は、
あちこちに潜り込んでイタズラし放題。
あるときは、わたしの宿題ノートを
水でぐちょぐちょにしたし、

あるときは、隣のおじさんのカツラを持ってきて、
「戦利品だ」と自慢する。

「もー、やだっ。出てって!」
わたしがどなりつけると、コロポックルは
おじさんの息子を連れてきてくれた。

息子は、わたしを見ると、
「前からキミのことが好きだったんだ」
と打ち明けてくれた。まさに魔法だった。

願いごとが叶ったのを見たコロポックルは
ネズミのシッポを置いて
どこかに消えてしまったのだった。
ファンタジー
公開:23/02/02 05:00
ちいさなちいさな 忍者 SSnote

たじま えりこ( 広島 )

カクヨムで『日々の事柄』を連載中。
2022年からエッセイストになるため修行しているが、
広島のサンモールで一部のエッセイが掲示されたことがある。
Novel Days では『Ingress――日常を冒険しよう』のPVが
13,000を突破している。

 

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